徳島と日本各地を拓いた阿波忌部の小冊子が完成し、
鴨島公民館でも希望者には無料で配布しています。
古代の氏族であった阿波忌部氏を研究している
「忌部文化研究所」が忌部の歴史や史跡をまとめた
小冊子を発行しました。
2019年3月12日の徳島新聞にも
「阿波忌部氏の歴史を知って」の見出しで掲載されました。
新聞には吉野川流域を拠点とした忌部氏にゆかりのある神社や墳墓を紹介。
麁服づくりの歴史のほか、和紙や藍といった徳島の伝統産業の礎を築いた
背景を開設していると紹介されています。
新聞を見た方でしょうか。
さっそく、今日(3月13日)の朝から鴨島公民館に小冊子を求めて来られています。
新天皇即位後の大嘗祭に麻織物「麁服」を調進してきた忌部族を知って
もらうために発行し無料で配布しています。
鴨島公民館の指定管理者である松島組の社長が(以下社長と表記)
忌部文化研究所の代表理事であることもあり、鴨島公民館に市民の方が
取りに来られるよう預かっています。
社長から新聞掲載後、問い合わせの電話がたくさん寄せられたとのことで、
小冊子を求めて来られたら配布するようにと昨日連絡がありました。
新聞の掲載が火曜日だったので当日公民館に来られた方もいたかもしれませんね。
火曜日は休館日なのでお渡しすることができません。
火曜日以外でしたら土・日・祝日も開館していますので、取りに来ていただければ、
お渡しできます。
今回、忌部文化研究所が発行した「徳島と日本各地を拓いた阿波忌部」は
A4判で10ページ(表示裏表紙を含む)にまとめられています。
どのような内容か気になりますよね。
社長の許可は得たので、冊子の中身を少しだけ紹介します。
まず、冊子を発行した「一般社団法人 忌部文化研究所」とは。
2018年4月に設立し、「日本の原点を見つめ未来を創る」の指針のもと、
「忌部」というキーワードを通じた研究・啓発・提言活動を行っています。
設立についてはホームページに詳しく掲載されているのでこちらをご覧ください。
私たちにとっては「忌部」、「阿波忌部」などの言葉はずいぶん身近になってきたと感じています。
鴨島公民館でも忌部をテーマとした、歴史講座やイベントを開催してきたので、
私自身、良く聞く言葉となっています。
実際、市民の方も関心を持っている方も多いようで、
「新聞に載ってた・・・」
という感じで鴨島公民館の事務所を訪ねてこられています。
ただ一般的に「忌部ってなに?」という質問に答えられる人はまだまだ少ないのではないでしょうか。
そのような現状から忌部文化研究所は「忌部」というものをわかりやすく説明し、
大人から子どもまでの幅広い世代で理解してもらえる啓発の一環として製作しています。
だれが見ても理解でいるように作られている「忌部のパンフレット」ですね。
地名や神社、祭られている神の名など漢字だけでは読めませんよね。
天日鷲命や天石門別神などなど。
ご安心ください。
子どもが見ても正しく覚えられるように、それらの漢字には全て「ふりがな」が表記されています。
天日鷲命はあめのひわしのみこと。
天石門別神はあめのいわとわけのかみ。
インターネットで調べてもふりがなをふってない場合も多いので助かります。
冊子には
1.忌部氏とは
2.阿波忌部とは
3.徳島と阿波忌部
4.阿波忌部と天日鷲命
5.天皇即位の大嘗祭と阿波忌部
6.阿波忌部と徳島の産業
7.伝えたい阿波忌部の精神
8.阿波忌部の伝統農業が世界遺産に
以上の8項目が写真とともに収録されています。
1.忌部氏とはと2.阿波忌部とはではそれぞれの説明があり、
3.徳島と阿波忌部では忌部の歴史を伝える県民歌や阿波国の由来について書かれています。
4.阿波忌部と天日鷲命では阿波忌部族の墳墓や関東開拓、天日鷲命の側面、
日本各地の忌部氏の内容に触れられています。
5.天皇即位の大嘗祭と阿波忌部では、阿波忌部による麁服調進の内容や歴史、
大嘗祭の由加物(ゆかもの)の紹介。
6.阿波忌部と徳島の産業では阿波藍や和紙など。
7.伝えたい阿波忌部の精神では日本各地に残る阿波忌部の精神や受け継がれてきた
おもてなしや共存共栄、友愛・平和といった精神の内容。
8.阿波忌部の伝統農業が世界遺産に!では、国連食糧農業機関(FGO)の
世界農業遺産(GIAHS)に認定されたことなどが書かれています。
忌部をまったく知らない人でも読みやすくまとめられていると思います。
私のようになんとなくわかっているつもりの人間にとってもありがたい冊子です。
冊子を読んで忌部についての基礎学習ができた方はぜひ、
忌部文化研究所のホームページもご覧ください。
ホームページにははより詳しく忌部についてまとめられていて、
冊子に収録しきれなかった内容もたくさんあります。
特に「忌部とは」のページでは日本古代史における忌部氏の事や研究の成果、
忌部に関係する徳島の主神社と阿波忌部の日本各地の進出に関わる主神社が
紹介されています。
主神社の紹介は神社の写真と場所、祭神と神社の概要が記載され、冊子より
詳しく学ぶことができるようになっています。
11月の大嘗祭を控え、麁服調進が動き出したこの時期、地元の歴史を知るだけでなく
阿波国をつくった先人を知るよい機会ではないでしょうか。