ホールの運用について

中四国地域別劇場・音楽堂等職員舞台技術研修会参加レポート。

今回はホール運用の中の打ち合わせについて。

研修資料読んで改めて打ち合わせの大切さが確認できたので、
鴨島公民館でのホール利用の打ち合わせ業務をご紹介します。

ホール運用の日常的な業務として打ち合わせ業務、ホール下見案内業務、電話打ち合わせ業務があります。

以下、資料より引用

打ち合わせ業務

主催者が公演開催に不慣れな方が多数います。
分かりやすく快く接し、催し物の内容をよく検討し、時間調整・使用機材の選択・
予算調整等の打ち合わせを行います。
また、各公的機関提出書類や非常時の避難誘導の指導・観客席定員管理・駐車許可等の
打ち合わせが、スムーズな本番を迎えるためにも重要と考えられます。

ホール下見案内業務

主催者が不慣れな場合と、大規模公演の場合の下見案内が多数です。
主催者の質問も機構的な事から、演出内容や進行・看板などのデザインに及び、
広い範囲の知識と経験を要します。

電話打ち合わせ業務

芝居・コンサート・ミュージカル公演等、全国ツアー公演のスタッフより頻繁に行われます。
ツアー公演中のスタッフは、少ない空き時間中に打ち合わせの電話やFAX・メールを入れてきます。
短時間に的確にに打ち合わせや確認を行い本番当日の混乱を防止します。
全国移動公演における、ホール持ち込み機材も近年外国製品や新開発された機材が続々と持ち込まれます。
ローカルでは遅れがちになる情報を早く知るために舞台関連各団体の行うセミナー・展示会・講演会等に
積極的に参加し、情報の遅れによるトラブルを防ぐことが必要です。

以上をふまえて、鴨島公民館での対応を説明します。

打ち合わせ業務

公民館のホールを使って発表会やイベントをすることが初めてという方も少なくありません。
そういった方にも分かりやすいように説明することが必要になってきます。

スタッフブログの「舞台用語を知ろう」でも紹介しましたが、専門用語が伝わらない場合もあるので、
分かってもらえるように説明します。
といってもこちらは当たり前のように専門用語で話すので、分からない場合は遠慮無く
言っていただけると助かります。

予算については、使用する部屋数や時間帯などを聞き、どれくらいの費用がかかるかの見積もりなど
も提示し、調整します。
季節によってはエアコンを使用するかどうかが分からない場合もあるので、
エアコンの見積もりは部屋の使用料の見積もりとは分けて出しています。

ホール以外に控室などが複数必要な場合は「どのような方が使われるのか」、「使用人数・時間帯」、
「部屋の使い方」を聞き、選定します。
例えば、講演講師の控室なら個室のような部屋がいいでしょうし、大人数で着替えるなら広い部屋を、
また部屋によっては飲食ができない部屋もあるので、飲食の有無などを聞いています。

ホール下見案内業務

打ち合わせの中でいろいろと説明しても、実際に現場を見てもらうことが1番理解していただけると思います。
初めて鴨島公民館を使う人は説明だけではホールや控室の広さ、移動経路など分かりにくことも
あるはずなので、館内を案内し説明します。

貸館状況によっては部屋をご覧いただくことが出来ない場合があります。
事前に下見の日時をご相談いただけると、スムーズです。

下見において機材の搬入経路の確認も大切です。
鴨島公民館のホールは3階にあります。
搬入用の大型エレベーターはなく、車いすが通れる間口のエレベータしかありません。

楽器などエレベーターに入らないものは階段から人力で運ぶしかありません。
主催者側で搬入時の人員を用意していただかないといけないので、搬入経路の確認はとても重要です。

電話打ち合わせ業務

全国ツアーや県外の主催者の場合は鴨島公民館での打ち合わせが難しいので電話での打ち合わせになります。

舞台の図面や会場の見取り図など資料を送る場合が多いので資料や写真を送れるように準備しています。
この場合は音響・照明・舞台に精通した方々ばかりなので、資料の送付である程度は大丈夫です。

持ち込む機材が公民館で使えるかの確認や県外からたくさんの機材を持ち込むので、公民館にあるマイクや
ケーブルなどを借りれるかの問い合わせもありますので備品リストの作成も必要です。
備品リストには機材の型番なども記入しているので、どんな機材があるか事前にお知らせすることで、
必要最低限の荷物で動けるようになります。

と、いってもマイクやケーブルなどにトラブルがあった場合はイベントへの影響が多いため自身で
管理・点検している機材をもってくることがほとんどです。
マイクスタンドや小さなテーブルなど急な故障がでにくい備品を借用されている気がします。

荷物によっては事前に宅配業者などから先に送って来る場合があるので、荷物の到着日時の聞き取りも必要です。
火曜日は休館日で荷物の受け取りができないことなど伝えています。

何度か鴨島公民館でイベントを経験されている県外の業者さんもいます。
一度公民館を使用しているので知っているであろうと思わず、必要な事項は改めて説明するようにし、
ホール関係の資料も改めて送付します。

また、こういった方々は公演の合間などに連絡してくれているようで、私がイベント業務など事務所にいない
場合はなかなか打ち合わせができません。
こちらから折り返し連絡をいれても出れないので、私とのタイミング次第ということがあったりします。

 

ホールの運用において、打ち合わせはとても大切です。
イベントが円滑に流れるために前日までの打ち合わせの準備や打ち合わせが大変な場合もあります。

県外の主催者へこちらの資料を送り、ある程度打ち合わせが進むと主催者側からも搬入スケジュールや
配置図面、公民館からの借用備品などの資料が送られてきます。

この時もこちら側でしっかりとチェックしなければなりません。
過去の失敗したケースとして、こちらから資料一式を送った後、舞台での機材の配置図が送られてきました。
当初は舞台の配置図面の見方もあまり分かっていなかったので確認はしたものの、実は公民館に無い道具が
配置図に入っていたことに気がつきませんでした。

イベント準備時に貸してくださいと。図面にあったでしょと。

「渡した備品リストにないのにー」とも言えず。
他の物で代用ができたのでよかったですが。

他にもホールによってルールも多少変わってくるので、準備の時に禁止事項も伝える必要があります。

鴨島公民館だと舞台への釘打ちの禁止、非常誘導灯の消灯、開演後のホール出入口の施錠など。

あまり舞台を使用したことの無い方に多いのですが、舞台上にテープを張る場合は注意が必要です。

一般的にガムテープと呼称しているものにはクラフトテープと布テープの2つがあります。
クラフトテープは舞台の板から剥がす時に粘着部分が取りずらく、悲惨なことになるので
必ず布テープを使うようにお願いします。
布テープでも剥がす時に荒々しくはがすと舞台の板ごともっていかれるのでやさしく剥がしてくださいねと。

言われる側にすれば細かいことですが、後々のトラブル防止に繋がると思ってください。

 

以上、ホール運用における打ち合わせについてご紹介しました。
これから初めてホールを使用する方も打ち合わせは必須です。
気になることは小さなことでも質問していただけると助かります。

個人的な考えとして、「ホールは使ってもらってなんぼ」だと思ってます。
これからの時代、稼働率の低いホールは老朽化で終ってしまうのではないかと。
必要ないものにお金は使えないでしょうから。

そのためには利用者にとって使いやすい会場を提供することも重要となり、管理・運用している
人の知識や経験、人間性が反映されるのではないでしょうか。

今後も地域にとって必要とされる鴨島公民館を目指しますので、よろしくお願いします。

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