鴨島公民館では合併前の鴨島町の時代から菊づくり教室を開催しています。
私にとって菊はとても身近な花で小さい頃から庭先や町中でよく目にしていました。
鴨島駅前には菊人形が並んだり、菊花展が開催されたり。
また、現在の吉野川市では菊は市の花として制定されています。
今年度も4月から菊づくり教室が開講となり35名の受講生が集まり、
鉢への植え込みの時期となりました。
菊といってもいろいろな種類があり、私も菊づくり教室の担当になるまでは
菊として一括りにしていました。
秋にはいろいろな菊を目にすることもあると思いますので、代表的な菊の種類を簡単にご紹介します。
菊の種類について
個人的に一番目にするのが大菊と呼ばれる菊です。
菊づくり教室ではこの大菊をメインに「三本仕立て」を勉強しています。
一鉢に3本の菊の花があるように見えます。
実際は一本の苗から3本の側枝を伸ばして支柱でそれを支えています。
一番高い枝を「天」といい、3本の真ん中後ろの枝を天とします。
残り2本を「地」、「人」とし背の高さは「天」>「地」>「人」とするそうです。
最初は5号鉢に植えますが、植え替え後は8号~10号くらいの鉢を使用します。
他にも一本仕立てや五本仕立てなどもあります。
次にスプレー菊
5,6㎝くらいの花びらで花びらの形が種類によってたくさんあります。
菊づくり教室ではフラワーアレンジメントに使用しています。
枝先が分かれ多数の花を付けます。実習用の菊として6月上旬くらいにも5号鉢に植え、
7月上旬くらいに7号鉢に植え替えをしています。
7号鉢に植えた後は60㎝くらい伸びるので、支柱で支えています。
次にクッションマム
色の種類が豊富で、鉢やプランターなどで育てます。
吉野川市の菊花展では小学生が育てたクッションマムがたくさん展示されています。
上記の大菊や小菊を使って仕立て方を変えることにより、
「福助づくり」「ダルマづくり」「懸崖づくり」「杉づくり」など様々な種類の呼び方があります。
吉野川市の菊花展にはそれらの菊も展示されていますので、またの機会にご紹介できたらと思います。
大菊の鉢上げ
今回の菊づくり教室は大菊の苗を5号鉢に植える実習を行いました。
実習に使用する菊の苗は講師の先生がさし芽から育てた苗をご用意していただいています。
実習に使う土は腐葉土やくん炭などを混ぜた土を使用しています。
初めてご家庭で植える方はホームセンターに「菊の土」を売っていますのでご利用下さい。
5号鉢に網底を置いて鉢の半分くらいまで土を入れます。
少し中心を高くする感じで土を入れ、植える苗を置き高さを見ます。
低ければ少し土を足して苗を植えて土を足し、周りを指で軽く押し込む感じで鉢に土を詰めます。
菊の苗が植えれたら次にお水をやります。
「キング」という液肥を500倍に薄めて柄杓に1杯、水をやります。
この時に苗の上からバサっと水をかけるのではなく鉢の周りにゆっくり水をやってください。
液肥を菊の芽にかけるのはよくないので周りにゆっくりやってください。
ちなみに「キング」とは国華園 活力剤 キングという名称で菊専用の活力剤として作られてます。
根を強くし、茎を太くし、葉を大きくするといった効果があるそうです。
以上で菊の鉢上げは完了です。
菊は水をやり過ぎると根が腐って枯れてしまうので、鉢の土が乾いていたら
水をあげる感じでも大丈夫なようです。
菊の育て方は人によって様々な手法があります。
今日ご紹介したのは菊づくり教室でだれでも簡単にできる方法です。
長年菊を育てた方とはやり方や考え方なども違うかもしれませんが、菊づくり教室では
だれでも気軽に菊を育ててもらえる事を考えて講座を進めています。
もちろん慣れてくればより詳しい説明も講師の先生が丁寧に教えてくださいますが、
菊は難しいからと敬遠する方もたくさん見てきましたので、気軽に初めていただければと思います。
編集後記
冒頭にも書きましたが私にとって菊は身近な存在でした。
家の庭先や畑にクッションマムが植えてあったり叔父が大菊を育てていたりとよく見ていました。
鴨島町は菊の町というイメージがあります。
今でも秋になると店先に大菊がならんでいたり、畑にクッションマムがあるとついつい見てしまします。
ちなみに50円硬貨の裏にも菊がありますね。
菊づくり教室で講師の先生や受講生の方と菊の話をするのですが皆さんなかなか
自分の思ったような菊が育てられないようです。
なかでも大菊は難しいようです。
水やり、肥料、消毒など。
また台風シーズンになると屋外に避難させないといけなかったり。
ひと夏に台風が5つも6つも来るシーズンは大変ですね。
菊花展や品評会に出展する人などは100鉢以上持っているらしいです。
公民館にも実習用の菊があるので館内に避難させていますが何度も台風がくると
「またか・・」と思ったり急な進路変更や速度アップもあるので早めに避難しています。
とくに講師の先生はたくさんの菊をお持ちなのでたいへんではないでしょうか。
とういことで先生、台風の時の菊の避難、お手伝いしますよ!!