PAミキサーを手に入れたぞ!!
と、いきなり叫びましたが、PAミキサーなんて知らない人が多いですよね。私自身もこの仕事をするまではまったく知りませんでした。
PAとは?
PAとはPublic Address(パブリック アドレス)の略称。もっと正確にいうと、Public Address System(パブリック アドレス システム)でPAシステムと呼ぶそうです。
PAを簡単に言うと「講演会やコンサートでマイクや楽器の音を観客や演奏者自身に聴きやすいように音量を調整する装置全て」をPAと呼んでます。
上の写真の機械はミキサーと呼ばれるもので、マイクやスピーカーをつないだりして音量を調整する機械です。ミキサーって言うと果物を入れてジュースを作るミキサーと思う人が多いのでPAミキサーと表記しました。私自身はミキサーと言ってます。
もちろん鴨島公民館には立派なミキサーがあります。YAMAHAのデジタルミキサーLS9。
5階の音響室から操作しています。講師が話す講演会などは、この5階からのミキサーの操作で問題なくできます。
しかし、イベントの内容によってはこの5階の音響室からの操作が非常に難しい時があります。なぜか。それは舞台から遠いから。
基本5階の音響室から舞台を見下ろす形となります。なので舞台袖などの様子がまったく見えない。吊り物の舞台転換の時に時間がかかる。事前準備での音のバランスを取るのが非常に めんどくさい 大変!
しかしこのPAミキサーがあれば、舞台袖にミキサーをセッティングすることで上記の問題点が改善されます。問題点でなく私自身の手間もいろいろと軽減されます。
どれくらい軽減されるのか。例えば
「水を飲むのに、いままで川から水をくんできて、濾過(ろか)して、煮沸消毒して飲んでいたのが、蛇口ひねって飲み水が出てくるくらい」
このくらい変わります。では実際のイベントを例にどれくらい変わるかご紹介しましょう。
先日のとあるイベントでのこと。出演は阿波木偶箱まわし保存会の出演がありました。東みよし町の文化財で徳島県指定の無形民俗文化財でもある「三番叟(さんばそう)まわし」の実演のため、来館されました。箱回しといっていろいろな人形をあやつります。
三番叟まわしとは。
主に正月儀礼として民家に迎えられる門付芸で、大晦日に家々を廻って、「五穀豊穣」、「無病息災」、「家内安全」などを予祝します。鼓と人形遣(つか)いの歌に合わせて木偶が舞い、登場する木偶は千歳(せんざい)、翁(おきな)、三番叟、えびすの4体。えびすが家人の方をなで、福をさずけてくれます。
保存会の中内さんと南さんは三番叟まわしという文化を残し、継承し伝えていく思いが強く、日々ご尽力されております。つたない説明なので阿波木偶箱まわし保存会で調べてみてください。
中内さんと南さんは何度か鴨島公民館の舞台に立たれているので打合せはスムーズでした。お二人とも人形を操ったり、鼓をたたいたりと両手がふさがる状態です。615席もあるホールなのでマイクが必須。
しかし、舞台を人形を操りながら動くので、スタンドマイクでは対応ができません。そこでピンマイクと呼ばれるマイクを使います。(写真左)
しかし私のような「なんちゃってPAオペレーター」にはなかなか難しいマイクです。なぜかというとハウリングしやすいんです。マイクを使っている時にスピーカーからキーンとかボワーンといった音がでるあれです。
なぜハウリングが発生するのか。マイクを持って人が話すとマイクは話している人の音をひろいますよね。で、スピーカーはその音を出しますよね。で、またマイクがスピーカーから出た音をひろってスピーカーが音を出してそれをまたマイクがひろって・・・・・というループがハウリングをおこします。
簡単に説明するため、高音域、中音域、低音域と3つの音域があるとします。ハウリングはこの音域のどれかが原因となっていて、その音域を小さくすることでハウリングを防ぐことができます。(実際にはスピーカーの向きなども関係してます。)
イベントの開演前に出演者の方にマイクでしゃべってもらって調整するという時間はほとんどありません。なので事前にハウリングしないように調整しておき、開場前に最終の調整を行います。5階にミキサーがあるので舞台でマイクを使ってハウリングした場合、5階のミキサーまで調整に行かないといけない。ハウリングしたらまた・・・。
といった感じですが、舞台袖にミキサーがあれば事前の調整も簡単です。さらに今回の舞台では吊り物とよばれる物があります。舞台の背景を美術バトンとよばれる長い物干し竿にヒモを結んで吊り上げます。
この時の吊り上げは手動で私がやってます。綱元(つなもと)と呼ばれる舞台上に吊ってあるものを操作する場所があり、操作を間違うと吊り物が落下する危険があるので、一般の方には立入も操作も禁止です。ここが綱元。
今回は松の背景と街並みの背景があって、場面によって転換が必要となります。
このとき、5階の音響室から舞台袖まで移動しないといけないので、時間がかかってしまいます。しかし今回はすぐに綱元に行けるようになります。同じ舞台袖にある螺旋階段を駆け上がればすぐに綱元で操作できます。
また舞台袖から間近で見れるので何かあった時もすぐに対応できるのです。
さらに出演者の方によってはいろいろな機材を持ち込まれることも。
パソコンからの音声やサンプラー(音を出す機械)など持ち込まれても、ミキサーに簡単に接続することができます。その分、スピーカーやマイク系統などの引き回しなどで準備するケーブルは増えますが、今までの手間を考えれば軽いもんです。
今回は司会用マイク、ワイヤレスハンドマイク×2、ピンマイク×2、パソコンからの音源、サンプラーからの音源、モニタースピーカー×2で上の写真のケーブル数が必要になりました。
舞台袖にミキサーをセッティングしたことにより今回のイベントはスムーズに進めることができたと思います。私の技量ではこのミキサー、少々オーバースペックな気もしますが、大は小をかねるで少しずつ使いこなせればと思ってます。
いろいろと助けてくれるこのミキサー。頬ずりしたいくらい感謝してます。
実際には油で汚れるだけなので、大切に使っていきたいと思います。