企業勉強会「今後の工務店がとるべき対策」

指定管理者である松島組は注文住宅建設事業を中心とした事業を行っています。

毎月17日をスマイル会と呼称し、定例会議を協力業者と共に開催しています。このスマイル会とは、家づくりに関わるすべての社員と協力業者の「知識」「想い」を共有することを目的とした勉強会です。

勉強会といっても、建築業の勉強だけでなく、経済、金融、法律、テクノロジー、IT、教育、地域の文化・歴史、芸術などなど幅広い分野で学んでいます。ほとんどは社長の幅広い人脈を活かした、さまざまな講師が専門的なお話をしてくださいます。

会議は午後7時から8時30分まで。協力業者の皆様には日中のお仕事でお疲れのところ参加いただいています。ありがとうございます。

 

目次

新設住宅着工の動向

 

今月のスマイル会は

「今後の工務店がとるべき対策」

と題しまして、株式会社 LIXIL 徳島支店 販促担当のチーフマネージャーの方からご講演いただきました。

まずは全国の新設住宅着工の動向。全国の2017年度10月~2月の新設住宅着工戸数は前年より約4.6%の落ち込み。6月には1.7%と増加したものの直近8ヶ月連続でマイナスとなっており、18年1月にはマイナス13.2%と大幅な減少が見られた。
その要因は東京オリンピックに向けた選手村等の施設建設により前年の着工が大きかった事が要員だが、一昨年度の数値と比較してもマイナス2.1%。国交省でも五輪関係の着工の影響を除いても前年の実績を下回ったと説明しています。

また、相続税改正以降、昨年度まで大きく伸びてきた賃貸住宅だが、金融機関によるアパートローンの厳格化やネガティブ報道などにより市場にブレーキがかかっているそうです。

続いて中国・四国地方の持家着工の動向。
2017年度10~2月の持家着工状況は前年からマイナス6.1%。月別では10月と12月はプラスとなったものの11月と2月には大きくマイナスとなる。

こちらも全国同様、まだまだ厳しいようです。

 

持ち家のトレンド

 

ZEH

「2020年までに新築注文戸建住宅の半数以上、2030年までに建売や集合住宅を含む新築住宅の平均での実現を目指す」とされるZEH。
2018年度の住宅省エネ・省CO2化に関する補助金制度においては、初の3省連携体制で実施されるなど、いよいよ本格的な導入が近づいてきたとのこと。

ZEH(ゼッチ)とはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、

「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」  (産業経済省 資源エネルギー庁ホームページより)

簡単に説明すると省エネ性能を向上させる。さらに創エネ設備(電気を創る設備)を導入して、自分の家で使う電気より創るエネルギー量が多い住宅のこと。省エネの向上として、断熱性や機密性を上げ、創エネ設備としては太陽光発電などの発電設備を使ってエネルギーを創り、収支をゼロにすることを目指しています。

詳しくは経済産業省 資源エネルギー庁のホームページで確認してください。

松島組も2020年までにZEH普及目標として50%以上を設定し、ビルダー登録をしています。

 

平屋の増加

このところ平屋の供給が増加傾向にあるとのこと。
2012年から2016年の推移として工務店は-13.4%、ビルダーは+44.3%、メーカーでは+47.1%。小規模プランや空間活用により安価な平屋を供給することで、メーカーの平屋がビルダー2階建客を、ビルダーの平屋が工務店2階建客を捕捉していることが要因と見られるようです。

ハウスメーカーでは地方郊外の分譲地の一部区画で平屋モデルを建てることで、平屋の実物を体感してもらい、販売するといった手法が定番化し、平屋タイプの商品が発売されるなどの動きも目立つとのこと。エリア別の平屋率では九州が最も高く、北関東、四国と続いています。

 

IoT

スマートフォンの普及に伴い、世界的にIoTデバイスの数は大きく増加していて、AIなどの技術革新が進むことで、今後さらなる活躍が見込まれています。

IoT(アイ・オー・ティー)とは Internet of Things の略で「モノのインターネット」という意味です。IoTは、センサーと通信機能が組み込まれたモノがインターネットを通していろいろなモノと繋がって、お互いの情報や機能を共生すること。今までパソコンやスマホで構成されていたインターネットに家や職場や街中のモノを取り込んでお互いの機能を活用します。

簡単な例として、スマホを使って職場から帰宅時間に合わせてエアコンのスイッチを入れる。ようするに、あらゆるモノと繋がるのがIoTの定義なので、あれもこれもIoTな世の中になっていると思います。住宅の場合は自宅の電気の使用量を可視化し制御したり、水量センサーや外出時に玄関ドアや窓の開錠を知らせる通報システムなど、IoTがどんどん普及し、便利な住環境になってくるはずです。

 

建設業界における働き方改革

 

建設業界において深刻な問題があります。

それは職人の不足。1985年からのここ20年で建築大工の人口が半数以下になっています。その内の約31.7%が60代。深刻な人口減少と共に職人不足→工期が遅れる→仕事が減る→品質劣化→職人不足・・・
という負のスパイラルによる経営危機を招く可能性が現実的になってきているそうです。建設業界にとって、職人の確保や育成は経営を継続する上で、重要になってきていると感じました。

今回のスマイル会ではこれからの建設業界の動向や、進めていかなければいけない課題などが見えた気がしました。このように貴重な情報を提供していただき、またそれを共有できる有意義な時間となりました。お話いただきました講師様、ご参加いただいた協力業者の皆様、お疲れ様でした。

来月もよろしくお願いいたします。

 

編集後記

 

個人的にIoT等の話は大好物です。

仕事において色々なシステムを見たりさわったりするのですが、どれも基本的には便利にできています。最初は難しく感じるかもしれませんが、使う機能はある程度決まってきますし、やることは反復が多いです。ようするに難しくて使えないではなく、

使わないから使えない

だと、個人的には思ってます。

これから、IoT技術は我々の業務にもどんどん入って来るはずです。とっつきにくいとか難しそうとか思わずにまずは使ってみましょう。普通に使えるようになりますからー。

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